■■ 解説(2項 ■■»全体表示

(1)趣旨

(1.利害関係人

 無用な請求によって特許庁や特許権者の負担が増大することを防ぐためである。

 補足利害関係人でない者は、無効理由を発見しても特許無効審判を請求できないが、特許掲載公報の発行日から6月以内であれば特許異議の申立てをすることができ、また、情報提供(»特許法施行規則3条の3)をすることによって利害関係人による特許無効審判の請求や審判官の職権による審理»153条を促すことができる。

(1.(前項第2号(特許が第8条の規定に違反してされたときに限る)又は同項第6号に該当することを理由として特許無効審判を請求する場合にあっては、特許を受ける権利を有する者

 特許を受ける権利を有する者が他人が請求した特許無効審判による特許権の消滅によって特許権の取戻請求権(»4条)を行使できなくなることを防ぐためである

(2)解釈

(2.利害関係人

 法律上の利害関係(権利義務関係)を有する者である»判例

 補足1不争義務を負っている者(特許権者との間に有効な不争条項の契約がある者)は、特許無効審判を請求する利益を有しない(特許無効審判を請求して特許を無効にしたとしても債務不履行による損害を賠償しなければならないことになる)ので、利害関係人とはならない(»判例

 補足2利害関係を有することについては、特許無効審判の請求時に証明をする必要はないが、請求後に釈明を求められることがある(»特許庁「審判便覧」1−